患者さまに歩み寄る。
一緒に笑う。
地域の生活を、
明るく照らす。
千葉瑶平Youhei Chiba
患者さまとの積極的なコミュニケーションを心がけ、店舗勤務と並行し、講演会、ワークショップなどの外部活動、在宅訪問も行う。
法律に基づき店舗の運営をするのが管理薬剤師の仕事です。私は入社3年目で管理薬剤師になりましたが、周囲のサポートがあったので不安はありませんでした。スタッフの意見を聞きながらこういう店舗にしていこうと話をしていると、自分たちで店舗を育てている感じがしてワクワクします。店舗の中で患者さまに寄り添うことも大切ですが、これからの薬剤師は積極的に外に出ることが求められているので、地域の方々を対象にした健康サポートイベントなどを開催しています。血糖値や骨密度などを計ったり、薬の正しい飲み方をクイズ形式で講演したり。街の薬局として、地域の健康づくりにも貢献していきたいと考えています。
私たちの店舗は薬剤師二人体制です。少人数で店舗を運営するコツは、しっかり周りを見て、どう行動したら全体の効率が良くなるかを考えることです。ただ機械的にならないように、周囲に指示を出しながら積極的に患者さまのところに行って、一緒に談笑する時間をつくるようにしています。来局される患者さまは一人暮らしの方が多いので、誰かと話をしたい方も多いのです。話のなかで症状に関して気になることを聞き出して、薬を渡すときに深く踏み込んで話を聞くこともあります。こうした何気ないコミュニケーションの中から、大事な変化に気がつく場合もあります。
以前、血糖値をコントロールする薬を飲んでいる患者さまのご家族からお電話があって、「薬が余っているから調整をお願いできませんか」と相談を受けました。早速訪問してみると、その方は一人暮らしで足が悪く、お薬をしまっているところまで取りに行くのが困難になってしまっていたのです。ケアマネージャーの方とも協力して、わざわざ取りに歩かないで済むようにテーブルまわりにお薬ボックスを用意しました。すると残薬は減り、きちんと飲んでもらえるようになったことで血糖値は落ち着きました。患者さまの生活状況を確認できるのは、在宅訪問のメリットです。在宅によって、薬剤師の役割はさらに広がっていくと感じています。
私は患者さまと他愛もない話をすることが好きです。お店にいないときがあると「寂しかった」と言ってくれる患者さまがいて、本当に嬉しくなります。自分の子どものように接してくださる方や、「あんたがいるからだよ」と言ってうちの薬局を選んでくださる方がいることが、私のやりがいです。私が勤務する店舗では、スタッフが患者さまを出口までお見送りしているのですが、「気をつけてね」「また来月ね」と声をかけると、心の距離が縮まるのです。私はこの薬局を、処方せんがなくても立ち寄れて何でも相談してもらえる、地域の健康相談所のような場所にしたい。信頼できて、明るい薬局をつくっていきたいです。